講談社 ブックリスタ 小説道場での内容を公開します
もう時効だと思うのでお伝えします。
講談社文芸編集者による小説道場 | [ booklista ] いま読みたい電子書籍のニュースをお届け
こちらに参加してきました。
講談社のビルで100人ぐらいですかね。会議室に通されて話を聞いてきました。
編集者のKさんの小説で新人賞を取るコツのようなものを話して頂きました。
Kさんはちょっと記憶が曖昧なのですが、森博嗣さんや京極さんの担当を講談社ノベル時代にやっていた方で、現在は文庫担当とおしゃっていたような?
自分の箇条書きのメモをまずは書きます。解説や説明はあとから。
新人賞をとるために大事な三つのこと。
1,視点 2,アイディア 3,情報伝達
(人物描写(視点)がよく出来ていて、おっ、と思う(アィディア)があり、文章も上手い(情報伝達))
- 視点が大事。視点がややこしい時は語り部は誰か、を意識する。(視点=語り部と同義。固定すること)(三人称複数でそれぞれ語り部が変わると、見える世界が変わることを意識。)
2,小説のウリとはアィディアのこと=他の作品との違い。差別化→その差別化の部分が面白いか?(SAO・バトルロワイヤル)
3,情報伝達(伝わるように)・情報整理・開示順番(情報開示順番や、調べたものを全部書かずに整理・省く=人に整理して話すのと一緒。ずらずら生まれた時から昨日の出来事を始める人はいない。大事なことだけ)
調べたことを全部かかない。
その他
小説に決まりはない。こうやった方がいい、はあるけど、ルールはない。
小説について考えて、視点やテクニックに注意しながら小説を読み、常に小説のことを考える。
語り手の内面を書くことができることが小説の強み(力をいれる)
小説は説明しない。キャラが見た世界をそのまま書く。
小説のキャラ立てとは、語り部とそのキャラとの関係性でたたせる。語り部がそのキャラをどう思っているか?
偉人や天才を描写する場合、その本人を語り部にするのではなく、近くの凡人を語りべにしたほうがすごさを描写できる。外堀から埋めていく。(ホームズでは普通のワトスン)
取材は現地にいかなくても、資料を読むなどするのも立派な取材。
取材していない原稿はわかる=手抜き作品は手抜きとわかる
以上ざっとした個人のメモです。
説明不足部分をおぎないますね。
1,視点
これはよくある群像劇や、主人公が二人いる場合などで、例えば同じ町で同じ彫刻や花やはたまたA君を見たときに、主人公が違えば見え方は違うということです。
もっとわかりやすく言えば女性主人公はヴィトンのバッグがわかるが、ブランドにうとい中年のもうひとりの主人公には革のバッグとはわかるが、ヴィトンというブランドがわからないといったようなことです。
これを効果的に描写すれば評価が高いとのことでした。
こういった「視点の問題」が新人賞をとる三つのコツのなかに入っているのは比較的珍しいと思いました。
それだけでも聞きにいったかいがありました。
K編集さんは視点に関しては中島梓(栗本薫)の小説道場がいちばん詳しいとのことでした。
2,アィディアについて
編集Kさん はおそらく40後半から50代の方だと思ったのですが、SAO(ソードアートオンライン)とバトルロワイヤルのアイディアが素晴らしいとおっしゃっていました。ラノベまで読まれていて、しっかり読んでいるんだなと感心しました。
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アィディアのこと=他の作品との違い。差別化→その差別化の部分が面白いか?
アィディアが他の作品とどう違うかということはよく言われることですが、それが「面白いか」という問いかけにはうなりました。大事なことですね。難しいですね。
あとは断片的なメモを見てもらえばだいたいわかると思います。
個人的にはやっぱり「視点」が大事ってことと、アィディアの差異が「面白いか」ってところが勉強になりました。
あと小説は自由です。決まりごとはありませんと編集さんはおっしゃっていまして、本当にそうだなと思います。
以上です。少しでも参考になりましたら嬉しいです。