新人賞受賞のポイントとなる、小説の「新しさ」って?
色々参考文献もあげながら小説の新しさについてお話したいと思います。
小説の新しさとは。
①他の作品とどう違うか?
②今までになかったアィディアはあるか?
主なものはこの二つかと。
最低、この二つは意識して小説を書かないと、おそらく受賞は難しいと思います。
もちろん、なんかとんでもないキャラを生み出したとか、文章がもう神がかりに上手いとかもありです。それは新しいからです。
新しいという言葉ってとっても曖昧で、結局新しさの意味を勘違いしてしまうとずっと一次選考すら通過しない状態になってしまいます。
新しい=他の作品とどう違うか? こう脳内変換して大丈夫かと思います。
中条先生の本をもし読んでいないワナビの方がいたら、とにかく読んだ方がいいです。ラノベ作家・エンタメ作家・純文学作家関係ありません。同じ小説ですから。
残念ながら実作者の方ではないので、どうしても批評家の立場からの意見になってしまっているのがネックですが、小説がどういう構造になっているか、どういう文章や文体が良いか、などに触れられています。
この中で、書くために読むという項目があります。
「先人がいろいろなパターンでやっている小説をできるだけ読んだうえで、違うアィディアがどうできるか考える。ゼロから考えるよりはずっとやりやすい」
と言っています。
だからこそ、小説を読まないといけない。
新しい小説を作るために古典を読んで、そこからずらすんです。
過去の記事です。
小説家になるには何冊の小説を読めばいいのか? - いつか、アウトサイダーな小説家になる。
中条先生のこちらの本もオススメ。
小説家になる! ――芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)
- 作者: 中条省平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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神話や川端康成・三島由紀夫の実作を細かくどの部分がいいかなどを論じていく良作です。
とくに、「黒豹を殺せ」という章で「黒豹ダブルダウン」という作品を徹底的にダメだとこけ下ろしています。こういう小説本で徹底的にダメだししている本は他にないのではないでしょうか。大変勉強になるんです。人のふりみて、ってやつですね。
私自身の経験ですが、この二つが意識されていないと、
①なんかとてつもなくひねった特に需要もないネタで勝負したくなってしまう
②例えば、学校に登校する高校生を描く場合に、どこかのアニメや小説、映画で見たままの劣化コピーを垂れ流すことになる。
これ、出来ているひとから見たら、当たり前やん! って思うんですけど、意識していないとついやっちゃうんですよね。
では次はじゃあ実際私が思う「新しい小説」ってなにかご紹介したいと思います。
新しい小説とはどんな小説か? - いつか、アウトサイダーな小説家になる。